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それでは憲法9条の発案者から見ていこう。『戦後日本の設計者』(ヒュー・ボートン・朝日新聞社)の訳者である五味俊樹は、そのあとがきで「自己の宗教信条であるクエーカーの平和主義が(ボートン)博士の生きざまに色濃く反映していた」としながら、「政策立案の過程においても、博士の信念が貫かれていく」とした上で、『具体的には、「戦後」の日本から軍事的要素を一掃しようとするアイデアであり、正式文書としては「降伏後におけるアメリカの初期対日政策」(SWNCC150/4/A)であった。しかも、それは日本国憲法第九条によって結実したと解釈できないことはない」と書いている。
続けて「日本の非武装化は、クエーカー派の平和主義のみならず当時のアメリカの現実的利益にも適っていたのであり、個人の宗教的理念と国家の戦略とが偶然かつ見事に合体したケースである」と解説している。そして「いずれにせよ、ボートン博士が、日本国憲法における平和主義、国民主義、基本的人権という三つの基本原則のうち、とりわけ、平和主義の思想的原液を注入するうえでその一端を担っていたことは確実である」と結んでいる。
薩長因縁の昭和平成史(7)